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飼育環境

宇野系らんちゅうの飼育環境は、基本的には金魚と同じです。ただし、らんちゅうの魅力を育て、鑑賞するために多少異なる部分もあります。
特に宇野系らんちゅうは肉瘤の発達と色彩の鮮やかさが特徴であり、それを損ねるようでは宇野系らんちゅうを飼育する意味が無くなってしまいます。

ここでは改めて宇野系らんちゅうの基本的な飼育環境を押さえておきたいと思います。

水槽・舟

個人的に鑑賞したいのであれば、通常のガラス水槽でも問題はありません。水20Lに1匹を目安にして下さい。飼育水槽セットなら基本道具がそろっているので、初心者には使いやすいと思います。

ただし鑑賞する際は横見になり、上見には適しません。らんちゅうは上見を前提に品種改良された金魚ですし、もちろん宇野系もまた上見を鑑賞の基準にしています。

本来のらんちゅう鑑賞に品評会出品も視野に入れるのであれば、舟や池での飼育をお勧めします。

当歳魚ならプラ舟で充分です。なるべく広めのものが良いでしょう。
二歳魚以降はたたき池が最適ですが、深さが30センチ以上あるならプラ舟に類するものでも問題ないと思います。プラ舟を使用する時は一日の水温差が激しくなりますので、舟の周囲を発泡スチロールなど断温素材で覆い水温変化を緩やかにする工夫をしましょう。

水槽も舟も設置場所は日当りと風通しが良く、飼育水の交換が行いやすい場所が最適です。
夏は過剰な水温上昇を防ぐため日よけを付けるようにします。水質及び水温の管理は、病気を防ぎ、宇野系らんちゅうにとって大切な肉瘤、色彩の発達にも関わってきます。

水は必ず置き水をして下さい。水道水を口の広い水槽などに入れ、日当りの良い場所で2、3日放置します。塩素を取り除き、硬水を軟水化する作業です。
急ぎの時はエアーレーションをすれば約1日で使える水になります。井戸水や自然水は何が入っているか分からないので、水道水を置き水する方が安全です。

宇野系らんちゅうを育てる為に最適な水は青水です。プランクトンが適度に発生し、綺麗な緑色になっている水です。鑑賞には向きませんが、宇野系らんちゅうの特徴である肉瘤や色彩を美しく育てる為に必須と言っても過言ではありません。

水替えは1週間に1回が基準です。ただし、水替えそのものがらんちゅうにとって少なからずストレスを与えますし、季節によって水の劣化速度も変わりますから注意が必要です。基本的に夏は多めに、冬は少なめに水換えします。
これは飼育する土地柄にもよりますので、水とらんちゅうの様子を良く観察しタイミングを計って下さい。最低でもエアレーションの泡が消えずに残りすぎるようなら水替えをした方が良いでしょう。

水替えの方法は、新水半分元水半分が基本です。元の水に繁殖していたプランクトンを保ち、水質の変化を極力抑える事でらんちゅうへのストレスを少なくします。
ただしこれもまた季節によって変えるべきです。夏は必要なら全替えも行います。新水を飼育槽と同じ環境にあらかじめ置いておき、水温などの条件を出来る限り元水と近づけておくと、全替えでもらんちゅうのストレスを少なく出来ます。逆に冬場は元水を多めにし、水環境の維持に気を配ります。どちらにしてもなるべくらんちゅうにストレスを与えないように配慮しましょう。

常に糞や食べ残しの餌を取り除き、なるべく水質を保つように心がけることも、らんちゅうの健康管理に必要です。

飼育道具

エアーレーションは必須です。水中に酸素が行き渡るようにしましょう。酸素不足ではらんちゅうも弱りますし、水質も悪くなり病気の原因になります。

ガラス水槽で室内飼育する場合はヒーターや冷却ファンがあると便利です。25度前後に保つように設定します。ヒーターがあれば冬場でもえさを良く食べ元気に泳ぎますし、夏場に冷却ファンがあると水温の上昇を防いで水質の維持に効果を発揮します。

舟や池を用いて屋外で飼う場合は、鳥獣被害を防ぐためネットや金網で飼育槽を守りましょう。