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らんちゅうは宇野系に限らず、すぐ死んでしまう弱い魚というイメージがありますが、実はそれほどではありません。
品評会参加を視野に入れるなら難易度が上がりますが、飼育自体は決して難しくないのです。
ここではらんちゅうを健康的に育成する方法をご紹介します。

1、飼育水管理(水温)

らんちゅうの健康管理でもっとも注意する点は飼育水の状態です。らんちゅうにとっては直接体を循環し影響する環境そのものですから、水が汚れると発病の可能性が格段に高まります。

まず水温に注意しましょう。屋外飼育では難しいですが、出来る限り25〜30度あたりで保つことをお勧めします。らんちゅうの適温であると同時に、一部の病気は25度以上の水温で発病を防げます。また、急激な変化を避けて下さい。人間も季節の変わり目で朝晩の温度差が激しいと風邪を引きやすくなるように、らんちゅうもまた急激な水温変化で体調を崩します。

ガラス水槽で室内飼育するなら、ヒーターや冷却ファンで水温管理します。プラ舟は発泡スチロールのような断温素材でまわりを覆い水温変化を緩やかにしましょう。また夏場の直射日光を避ける日よけも必要です。
水換えは元水と新水の温度差を極力なくすように、同じ環境で置き水する、水温が落ち着くまでらんちゅうを入れないなど気を配って下さい。

2、飼育水管理(水質)

水質は餌の食べ残しや糞の回収など掃除と、適度な水替えを行う事で管理します。

食べ残しや糞は水質悪化の最大の原因です。こまめに取りましょう。飼育槽につく苔は少量ならむしろ水環境の維持に良いくらいですが、あまりに厚くなると水の汚れが付着し、水質悪化の原因になります。水換えにあわせて適度にこすり取ります。

水換えのタイミングは季節、土地柄、飼育環境、水量、水温、らんちゅうの数、餌の頻度などにより変わるのではっきりした基準はありません。水量も、夏場で水温30度以上なら全換えも必要ですし、冬場、水温5度以下の冬眠状態なら蒸発した分だけ新水を継ぎ足す程度にします。週1回を基本として、こまめに観察し適度な回数を探っていきます。

ただし季節、環境に関わらずエアーレーションの泡が長時間残り続けるようなら、かなり水質が悪化していると思われます。即日水換えして下さい。

宇野系らんちゅうの飼育で青水を利用する際、特に注意が必要なのは水換え時の青水の割合です。夏場はプランクトンの繁殖が早い為、多め目に加えるとあっという間に濃度が上がり、すぐ水換えが必要になってしまいます。逆に冬は繁殖が少ないので青水が透明になりがちです。青水の濃度は水温の維持にも繋がりますので、季節によって適度な濃度を保つ割合を探っていきましょう。

3、餌の与え方

人間も腹八分が良いといいますがらんちゅうも同じで、餌は少なめに与える事が健康的に飼育するコツです。餌のやり過ぎは病気の原因に直結します。

特に宇野系らんちゅうは体を大きくするよりも全体のバランスや頭部の肉瘤を重視しますので、無理なく健康的に飼育する事を大切にしましょう。回数は一日1〜2回、5分で食べ尽くす量を与えます。食欲、消化も水温が高い方が良いので、日中に時間を決めて与えるほうが良いでしょう。

餌を忘れてしまう事もあると思いますが、数日与えなくてもらんちゅうの健康には何の害もありません。与えすぎるより良いくらいです。

4、観察

最後に、らんちゅうの健康を維持する為に欠かせないのは毎日の観察です。時間がある時にらんちゅうの様子を注意深く見て、外見、泳ぎ方、餌の食いつき加減、糞の形状など、元気な状態を覚えて下さい。そしていつもと違う点があったら、すぐに調べ対処する事が重要です。

病気も早期発見できれば、被害を最小限に出来ます。
難しく考えず毎日鑑賞を楽しむつもりで、気を配ってあげましょう。